上の写真は小樽市内にある手宮小学校に保存されていた交通安全の教材です。
これは昭和35年後半から昭和38年前半に施行された道路交通法の標識です。
年代特定の決め手は、写真の右側に立って写っている「一時停止」の標識です。
この教材に入っている一時停止の標識は赤の六角形の中に一時止まれの白文字で書かれておりいかにも止まりなさい!!という感じがしますね。
この標識の使用期間は3年にも満たない標識になってしまいました。
現在の一時停止の標識は、赤の逆三角形に止まれと白文字で書かれてています。
他には、案内標識(下段真ん中)、警戒標識(下段右側)、信号(左側奥)などもあります。
信号は、とても工夫されて作られていて、発光部分(青、黄、赤)はカラーセロファンが貼られ裏側には片面が白、もう一方が黒に塗られている画用紙が挟まるようになっていて、白面を表にして挟めると光っているように見えます。
現在では、DVDなど使い交通安全教材を見ることができると思います。ところが昭和35年ごろだと、テレビ自体がおそらく学校にはほとんどなく、この教材を使用して子供達に交通安全を教えていたのでしょう。
すでに日本で自動車が走り出して1世紀近くが経ち、一家に1台という時代から一人1台という時代になっています。
さらに自動車自体の進化も目覚しくハイブリット車などの電気自動車などが登場していますがそうした中でも哀しい交通事故が起きているのも事実です。
そうしたことを考えてこの教材を見ると交通安全、安全運転を再認識しなければならないと思えてなりません。
小樽市総合博物館 伊藤 公裕