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向こう側が見たい その先が見られる時代

博物館において、「見えている資料の裏側を見たい」と思う場面の一つは、ケース内に展示された書籍や簿冊などではないでしょうか。私自身、「次のページを読みたい」「違う図版を確認したい」と思うことがよくあります。当然のことながら、ケース内の書籍のページをめくることも。裏側を透視することもできないので、あきらめてその場を後にすることになります。

北海道開拓の村 旧近藤医院文庫倉内の展示

このような思いは展示する側にもあり、どのページを開くのが最もメッセージが伝わるのか、資料へのダメージを最小限にするためにはどのような形態で展示すべきかなど、悩みはつきません。

「見たいけれど見られない」「見て欲しいけれど見せられない」

そんな双方の想いの一部を現実のものとしてくれるサービスがインターネットを利用したデジタルアーカイブの公開です。国立公文書館や国立国会図書館をはじめ、各所の博物館、図書館、文書館などがサービスの充実を進められており、国内外の多くの機関が持つ資料を閲覧することが可能になっているのです。しかも、資料を痛めることなく、時間・距離に制約されることなく利用できるなど、非常に便利なサービスです。

国立国会図書館デジタルコレクションにて、上記展示内の書籍を閲覧

もちろん、個々の館園の見学ルールを守り、他の利用者に迷惑をかけないよう配慮した上での利用が前提となりますが、読みたい部分をその場で確認することも可能です。一方、お勧めしたい利用法は書名、著者名、出版社名、出版年をメモしておいて、休憩スペースや帰宅後にゆっくりと閲覧することです。多くのアーカイブでは、検索の過程で関連する資料の存在を確認することができます。「見たい」と思った資料の続きや、関連する資料にも出会うことで、想像もしていなかった情報に接することができるのです。

博物館を訪れることで出会った資料の、「向こう側が見たい」その先が見られる時代が始まっており、その先の世界が日々拡大しています。

(北海道開拓の村 学芸員 細川 健裕)