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資料を支える強い味方-ねりけし-【コラムリレー06 第23回】

 



 私のひみつ道具は、「ねり消しゴム」です。あまり馴染みがないものですが、もしかしたら「学校の美術の時間に使った記憶があるかも・・・。」という方もいると思います。ねり消しゴムとは、消しゴムの一種で粘土のように柔らかく、一般的な消しゴムと違って擦るのではなく、押し付けて使用するものです。そのため、デッサンの時などに利用されます。その粘り気と柔らかさから、私は資料を固定したい時に使用します。しかし、ただ単に「ねり消しゴム」と言っても特徴が様々で、最近は画鋲の代用品としてねり消しゴムのような掲示用練りゴムも販売されているので、使用用途によって使い分けています。

色々な種類のねり消しゴム

 硬めのものは、写真撮影の時やパネルの固定などの動かない欲しい時に使います。

後ろでしっかりと支えてくれています。

 また、脆弱な資料の時は、柔らかいものを選びます。そうすると、あまり強く押し付けなくていいので、資料が壊れるのを防げます。ただ、柔らかいものは粘性が強く、資料に消しゴムがくっついてしまう事があります。そのため、資料をつける前に指でペタペタとねり消しゴムを触って粘性を落としたりします。

顕微鏡で見るときも少量のねり消しゴムを使って

 写真は遺跡から出土した魚の椎骨を使用しましたが、普段はファーブルフォトという顕微鏡を使って小さなガラスビーズの写真を撮るのに、柔らかいねり消しゴムを使っています。ガラス玉の中にある気泡の写真を撮る時など、丸く湾曲しているものの撮影には、好きなところで固定してくれるねり消しゴムが大助かり。

ただ、自分に合ったねり消しゴムを見つけるのがとても大変。

お気に入りのねり消しゴムを節約しながら使っています。

(様似郷土館 学芸員 高橋美鈴)

しっかりと固定してくれています