みなさんは、昨日の晩御飯になにを食べましたか?
お肉やお魚、野菜など色んな食材をたくさん使って、煮たり焼いたりおいしくなるように調理したご飯が食卓に並んでいたと思います。
では、むかしむかしの二千数百年前の前の人たちはどんな食事をしていたのでしょうか。狩りをしてお肉を焼いて食べてた?漁をして魚を食べてた?
様似町には、そんな昔の人が食べていたものがわかる証拠が遺跡から出土しています。
平成28年、様似町では町内にある「続縄文文化期」の遺跡である冬島遺跡の発掘調査をしていました。
その時に、遺跡からたくさんの獣骨や魚骨が出土しました。
このたくさんの骨を調べることにより様似町の昔の人が何を食べていたかがわかってきました。
まず、多く出土したのは、シカの骨です。最近は、ジビエ料理としてシカ肉を利用した料理がレストランでも見られるようになっていますが、続縄文人もシカ肉はたくさん食べていたみたいです。また、これらのシカの骨は折れた状態で出土していますが、これらは所謂スパイラル剥片と呼ばれるもので、骨が生の状態で割られてたことを示しています。これは、中の髄を取り出して食べる目的で、割ったものだと考えられています。冬島遺跡から出土した骨の中には、小さな骨を割ったものもあり、食材を大切にしていたことがうかがえます。
次に多く出土しているのは、イルカの骨です。冬島遺跡に住んでいた昔の人はイルカを捕って食べていたようです。現に遺跡からは銛と呼ばれる漁具の一部も出土してます。
また、魚ではカレイの骨も多く出土しており、中には1m以上の大きさがあったと思われるカレイの骨も出土しています。
特別な動物としては、イノシシの骨が出土しています。イノシシは北海道には生息していないので、本州から持ってきたものと思われます。
冬島遺跡からはこの他たくさんの骨が出土しています。現在、整理を進めているところですので、今後もっともっと様似の昔の人の食事がわかるかと思います。きっと今と変わらない豊かな食事風景が昔の時代にもあったことを知っていただけたら幸いです。
〈様似郷土館 学芸員 高橋美鈴〉